(このごろ、何となくワタシ、感染症研究者の気分に戻って書いてます。(~_~;))
感染症専門医がおすすめする 新型コロナの正しい最新情報が得られるWebサイトまとめ
新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの? 感染管理の専門家に聞きました
良い記事だと思います。
私もね、日本での新型コロナ対策がそんなにひどいものだと思わないんですよ。(日本人は自虐的ですよねえ!(^^ ))
確かにダイアモンド・プリンセス号でのクラスター発生に対する対応では世界中から非難を浴びましたが(でも、あれって、かなり仕方のない部分もありました)、しかし、その後の感染者数の増え方では、韓国、イタリア、イラン、フランス、ドイツといった国がとっくに日本を追い越していっています。米国ももうすぐ追い越しますね。
「日本の感染者数が少ないのは検査をしないから」「日本は感染者数を増やしたくないから、検査数を増やしていない」という(陰謀論的)批判があるようですが。
う~~ん、、そうは単純に言い切れない面があり。
もしも、単純に検査をしないことで感染者の報告数を抑えているだけだとしたら、死亡者の方は増えていてもおかしくないですよね。つまり、検査をしていないので、原因不明の肺炎等によるものとされる死亡者が増えていく状態になるでしょう。
死因として一番間違えられやすいのは、おそらくインフルエンザによる死亡でしょうけど、前の記事で載せたように、インフルエンザの罹患者自体が今期は激減しているのです。そんな中で怪しい死亡例が増えていたら、必ず、医療関係者が気が付くはずです。
でも、そういう話は出ていませんよね。
そもそも、感染者の数を把握することにそんなに躍起になる必要があるのでしょうか?
私も繰り返し書いてますが、問題になるのはハイリスクグループだけなので、そのグループを守る対策に集中すべきなんです。
だって、すでにこの新型コロナは市中感染(何段階もの感染を介して市中に広がり、感染経路が追えなくなっている)になりつつあり、街の中に普通に不顕性感染者、軽症者が増えている状態ですから。
その人たちを全員、PCRで確定する必要がありますか? そんなこと不可能だし、無意味です。
感染していたところで、ほとんどが無症状か軽症で治ってしまうんですから。それは、今でも、普通の風邪に対して検査をしないのと同じです。
ですから、新型コロナの診断基準に照らして、本当にその感染が疑われる重症者(ハイリスクグループならば軽症の段階から)に適切に医療資源が回ること(適切な検査、治療が迅速に受けられるようにすること)が大事なんですね。何でもかんでも検査しろというのは、医療機関の負担を増やすだけで、賢い選択ではありません。
前の記事で載せましたが、今季のインフルエンザ流行の激減から見て、感染予防対策が日本では効を奏しているのは間違いないのです。
自分への感染という恐怖からではなく、ハイリスクグループにウイルスを移さないという目的のために、しゅくしゅくと予防対策を励行したいものです。
皆さん、軽く、軽くね~。このウイルスそのものよりも、他に考えることがありますよね~。(^^ )
他の国々での拡大状況が鍵になるので、まだ先は読めませんが、新型コロナの流行もこれまでの他の感染症同様、いずれ必ず収束します。
オリンピックは、どうなるでしょうね。。
(PCR、ポリメラーゼチェインリアクション、、なつかしいなあ。(^^ ) 大学院時代、私もよくラボでやってました。ごくごく微量のものを増幅して検出するので、コンタミ(汚染)に注意しないと偽陽性が出やすい手法です。)